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January 27, 2007

共産国家日本 その1:正規分布モデル

第一弾。正規分布を基本としたモデルです。
実は前から作成済みだったのですが、小出しにするつもりでいたら時間がたってしまいました。

ダウンロードはこちら

モデルの基本構造は「子供の収入は親を中心とする正規分布に従う」です。
つまり、確率的には親と同じ収入になる確率が最も高く、親より大きくなるのも小さくなるのも同等の確率です。
これは
 ・親の教育投資が子供の将来に影響すること
 ・何らかの社会的障壁 (身分や人種による差別等) があって、それが明確にもしくは暗黙のうちに作用している
という二点を考慮した結果です。
もし、正規分布の分散が大きければ、親の教育投資や社会的障壁が次世代へ影響する割合が小さくなると言えます。

モデルは3世代を想定。
第一世代は現実の収入分布と近くなるように設定しました (詳細は後述)。
初期設定では収入が500弱になるように設定してあります。
また収入がマイナスとなるのを防ぐため最低収入を設定。
分散は2種から選択可能。自分で入力するもの、もしくは各国の進学率 (School enrollment, Secondaly) に応じて変化させるもの (詳細は後述)。

ここで僕が想定した結果は「分散が小さい社会では3世代に渡って収入の分布が変化しないが、分散が大きい場合は収入が一様分布に近づいていく」と言うものです。
一様分布であっても格差はありますが、少なくとも低所得者層が減少し、中間層が増加することになります。
結果は、いまいちでした。
想定どおりになることもあれば、逆に状態が悪化する場合もあります。
グラフを見る限りでは2極化が進み (原因はグラフの両端では確率分布が変化すること)、グラフと世代の制約を取り払って考えるならば、所得がどんどんと幅広く分散し各階級の度数が落ちます。

エクセル中で変更可能な設定の説明は以下。
"General Settings"の部分が変更可能です。
Initial α, Initial β → 第一世代の収入の分布を決定するベータ関数の参照値
Variance → 各世代での分散を決定する値。マニュアルとリストが選択可能で、マニュアルの場合は直接値を入力、リストの場合は分散の最大値 (進学率が100%以上になる国での分散) を設定した後、国名を選択
Highest Income → 第一世代の収入の最大値
Lowest Income → 全ての世代の収入の最小値。収入がこの値より小さくなった場合はこの値に修正される。
グラフに関して → グラフの階級を動的に設定できるシステムが思いつかなかったので、グラフは固定です…。

モデル設定の説明;
第一世代の収入分布 → 直接値を入れておくことも考えたのですが、モデルの柔軟性を重視し、分布の形を変化させる際に最も有効になりそうなベータ関数を採用 (一様分布や中間層が非常に多い正規分布に近い形などいろいろ設定できます)。そこからベータ分布を無理矢理変換して使っています。
ベータ関数に関しては、こちらのページを参照。
そういえば基礎金融工学という授業でベータ分布を習ったことが懐かしく思い出されます。もう覚えちゃいないけれど。そういえばこんな確率分布を扱っていました。
Appletを使って動くので分布をいろいろいじってみてください。
各国の進学率 → 社会的障壁を数値化することが難しいので、教育投資が将来に影響することをモデルに組み込むために採用。教育と労働生産性の増加が相関するという前提に立っています。進学率が低い場合はマクロ的に見て学問で身を立てることが出来る可能性が下がるため、分散は小さくなる。(またその場合、労働の生産性が入学組と入学できなかった組で二極化し、さらに入学できなかった組では内部で生産性が均一化するはずなので、収入が劇的に下がる可能性も減るはずだけれど、これは憶測の域を出ない。)

以上です。
批判改善点などお待ちしております。

January 19, 2007

共産国家日本

いくつかのきっかけから「日本は資本主義を標榜していながら、内実は理想的な共産主義国だ」というフレーズを思い出した。
そのフレーズは微妙に違う意味で使われていたのだが、平等・不平等に関連して、僕は日本が非常に格差が少ない国であると考えているので、それを数値で実証してみようと考えたわけである。
ちなみに表題を「共産主義」としなかったのは、「共産主義国家」と「共産主義が目指した格差の小さな国家」は必ずしも同義語ではないという僕の個人的な考えによる。

一般論について述べる。
よく経済的不平等を図る値として引き合いに出されるのが、ジニ係数である。
この世銀のデータで言えば、日本はデータが存在する124ヶ国中123番目に不平等な国と言うことになる。
(注:データを見に行けば分かるが、国によってデータの取得年度が異なる。しかしデータが全て世銀の調査チームによって処理されていると見られることから、定義の一貫性と言う意味において無理に同じ年度を違うソースから集めてきたよりは信頼性があると考える。この詳細は上記世銀のページのデータに関する説明欄を参照されたい。)
上記では日本のジニ係数は24.9 (1993年)。
こちらの総務省のデータでは27.3 (2002年)。
定義が違うはずなので何とも言えないが、日本のジニ係数は90年代後半を経て上昇傾向 (注1) だと言うことなので、両者の齟齬は小さいと思われる。
他に考え方としては、一人当たりGDPがある。
最も、この数値は経済学で使われているところを見たことがないし、しっかりしたデータも存在しないようである。
考えてみれば、人口には労働人口と非労働人口がいるし、さらに労働人口の中にも職についていない人や、一人暮らしから10人の大家族を養う人まで様々なので、指標としては非常に意味が少ないと言える。
また、実際には物価や為替の違いも存在するので個人の豊かさを国際比較する指標にはなりえず、購買力平価 (Purchasing power parity, PPP) などで調整した値を使わなければならない。
データ表を作成してみたが、結果としては…。いまいちである。
GDP_Person.jpg
ソースは世銀のデータクエリ
"Weighted"はこちらのデータにある"Ratio of PPP conversion factor to official exchange rate (2004)"で荷重。
2004年の値で加重してあるので2004と表記してあるが、一人当たりGDPは2005年の値。
国の掲載基準は、上位5ヶ国と最も低い国、その他は恣意的。

以上が一般論。
僕はここで平等や幸福の定義について議論する気はない。
ではどうやって社会の違いを明確に示すか。
数値モデルを考えた結果、3種類のモデルを思いついた。

①正規分布モデル
②ベータ分布モデル
Cobb-Douglasをぱくった理論経済モデル

全てのモデルで前提としているのは「子供の収入は両親の収入と関連する」と言うことである。


とまぁこれだけ書くと大そうなお話に見えますが、それを次回以降うpしていこうと言うお話でした。
でも実際、ちゃんとデータを集めて上記の3つをそれぞれ検証すれば、卒論程度には十分な話になるはず。
僕の場合はデータ集めはしないでモデル検証だけですが。
それでは次回以降にご期待ください。誰も期待していないと思いますが。

注:ソースと補足
上記の注1は「格差」を考える 第2回:日本の所得格差は国際的に見てどうなのかより。
ちなみに、ここで紹介されているOECDペーパー(PDF)にある"Actual and perceived inequalities in the distribution of income"という図 (11ページ) は相当いけてない。
"Actual"と"Perceived"の重ね方が恣意的で (恐らくは両者の差を最小化させるように重ねたのだろう)、どちらが上回っていると言う判断材料にはならない。

January 10, 2007

iPhoneがやってきた

噂の絶えなかったiPhoneが正式発表になりました。
まずは、Steve Jobsのプレゼンをどうぞ。
プレゼン自体は以前の新型iMacの発表の時の方がレベル高かった気がするけど、まぁそれは置いておいて。

まずはスペックから。
情報を得るために米Appleのサイトにサインアップしたけど何故かメールが届かない。
ITmedia、その他から持ってきました。

iPhoneスペック
液晶 … 3.5インチ
解像度 … 320×480ピクセル(160dpi) マルチタッチスクリーン
OS … Mac OS Ⅹベース?
ブラウザ … Safari
ワイヤレス … 802.11b/g ・ Bluetooth 2.0(EDR)
カメラ … 200万画素
電池寿命 … 最長16時間(オーディオ再生)、最長5時間(通話、ビデオ、ブラウジング利用時)
サイズ … 115×61×11.6ミリ 135グラム

この他の特徴はプレゼンを見れば画面にちらほら出てくるので割愛。
アジアへの投入は2008年とのこと。
アジア全体は知らないが、日本ではバンドが違うので恐らく2008年年末とかになりそう…。
対応には時間を要するかと…。予定は未定であって確定でない。。。

さて。
僕の個人的に気に入った点は、Google Mapが動くことと、ソフトウェアキーボード。
両者ともモバイルの特性に非常にマッチしていると思うので、ぜひ欲しかった機能だ。
そういえば学生のためのビジネスコンテストKING (2004年なのでもう2年以上前だ…。) へ参加するための選考で僕が作ったプランは、携帯に地図を絡めたサービスを提供するものだった。
これは諸々の事情を鑑みると日本によりマッチしていると思うのだけれど、説明は省こう。
そしてソフトウェアキーボードは、使用感と言う意味においてとても優れていると思う。
キーボードは常時必要ないわけだし、不要なときはキーボード領域も画面として使用できる。
また画面によってアルファベットが必要なのか、十字キーが必要なのか、記号が必要なのか異なるのだから、それを表示の切り替え (もちろん自動が望ましい) で簡単に実現。
同じキーに違う意味を持たせることができ、かつ最小のスペースでそれを実現できる。

ただ、Mac OSでかつブラウザはSafari、かつGoogle Mapは組み込み式のようなので、拡張性は非常に低いと言わざるを得ない。
Macユーザーでないので分からないが、Safariでページは問題なく表示されるのだろうか…(operaユーザーが言えた義理ではないけれど)。
ブラウザにプラグイン追加が出来ない、かつMac OSで動く限られたアプリしか使用できないとくれば、機械寿命 (iPhoneそのものの物理的耐用年数) よりコンテンツ寿命 (software等が問題なく使える年数) が短くなるだろうし (そこまでの変化はないですかね?)、どうやらFlashも動かないとのこと。
何よりIMがインストールして使えなければ、自ら市場を限定することになってしまう。
例えば日本はMSNが主流だろうが、中国ではMSNと国産のIM (名前は忘れた) が主流だし、Skype主流の国や地域もあるだろうし、これらはネットワーク外部性がものを言うので、端末一つの登場では如何ともし難い。
何より、どこのキャリアがiPhoneを発売するのか、もしくは多キャリア対応にするのかによって売れ行きは大きく左右される。

そう考えると一番いいのは、空の端末を発売してsoftwareはユーザーに好きなように組み合わさせるのがいいのだが、リテラシーを考えるとそうもいかないのかもしれない。
インターフェース次第だと思うけれども。
初回起動時に「組み込むソフトウェアを選んでください」って表示して、選択式にする。例えば「IMを次の中から選んでください。MSN, Skype, Yahoo, etc.」「ブラウザを次の中から選んでください。IE, Firefox, Opera, Sleipnir, etc.」とか言うページを一枚入れれば十分じゃないのか。
要するに、DELLのパソコン (カスタムメイド式) みたいなものだ。
数十KBの超簡単なプログラムで、後は自動でダウンロードとインストール。
拡張自在、最小にして最適の組み合わせって、自分で作らないとどうにもならない。
近い将来はこうなるはずだ (と願っている) けれど。


それにしても、テクノラティの注目のキーワード一位がすでに"iPhone"になっているのはさすがだと思った。
もっとも、ほとんどが英語のエントリで、かつ日本語で書いていても「iPhoneキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!sugeeeeeee!!!!!」で終わりで、情報としてはいまいちな内容が多かったけれど。
スペックが書いてあるエントリすらほとんどなかった…。

情報の取捨選択の難しさも感じました。
ここまで情報が共有化されやすくなると、新しいもしくはhotであると言うだけでは情報の価値は決まらないですからね。
そのうちAIもしくはプログラミングで勝手に「ユーザーが価値あると感じる情報」をクロールできるサービスが登場するのだろうなぁ。
フィード不要かつ情報を自動で判断する次世代RSS。
フィードがなければRSSとは呼ばないのか?分からないけれど。まずsoftwareが必要だし。
これを実現する一つの手段がRecommendationであるのは疑いない事実であると思われる。
と言うところでRecommendationを扱う企業として自分が勤めていた会社を紹介する!!!
という素晴らしい落としどころに持ってきたところで、今回のエントリを終わることにします。

ああ。貴重な午前の時間が…。
Appleのばかー。人をたぶらかしやがって。2008年に発売直後に買ってやるから覚悟しろ!

January 05, 2007

ドイツ、チェコ、ルクセンブルグ

旅程:14泊15日
滞在都市:13都市
合計移動時間:35時間
移動費:195(InterRail) + 167(その他) Euro
宿泊費:204.5 Euro (平均 17.1 Euro)

移動費は事前にしっかり計画しておけば多少抑えられたかも…。
InterRail (ヨーロッパ居住者向けのパス)で購入したzone外だったチェコへの足代も痛い…。

以下、印象を箇条書き。
寒い。とかく寒い。
メシ代が安い。フランスの1/2~2/3程度。
ビール・肉製品はドイツが美味しい。一方、チーズ・パンはフランスが美味しい。
ちなみにドイツには "ビール純粋法, Purity Law" なるものがあって、ビールに混ぜ物をしない風潮があるらしい。だからビールは基本的に軽くて柔らかい感じ。甘くは…ないかもしれないけれどそんな印象。個人的なオススメは小麦を原料としたWeizenbier。
ちなみに、ビアホールに行くと、場所によっては0.5Lもしくは1Lしか注文出来ない場合も。
ニュルンベルグソーセージとフランクフルターリップヒェンが美味しすぎた。
りんご酒は美味しくなかった。出来損ないのりんごジュースみたいな…。
ルクセンブルグに不思議なマクドナルドがあった。メニューや店内の表記はドイツ語だが、店員さんはフランス語を話す。
初の陸の国境越えは、あっけなかった。国境には、何もない。そこには見えない人為的な法と人の意識によって作られた想像上の境目があるだけだった。


以下、僕の足跡。
◇Dresden Christmas Market
Dresden_Market.jpg
最古にして最大のクリスマスマーケット。
ちなみにこれは単なる裏通りです。綺麗で撮影スポットだったからこの写真を採用しただけで、本当は広場にもっと沢山のお店が出ています。
ニュルンベルグはかわいらしくてカップル向き、ドレスデンは大きくてお祭りっぽく家族向きと言ったところ。
クリスマスマーケットで東アジア系の人を見たら、8割は日本人でした。

◇Praha, the Czech Republic
Prag.jpg
めっさキレイでした。
ただし、僕のプラハの印象は「中国人」。
最初は旧共産圏だからビザが取りやすいのかと思っていましたが、中国人に聞いたところによるとドイツと変わらない条件なんだとか。
何故あんなに中国人が…。

そしてチェコと言えば宮殿の衛兵…なのだが。
ふーむ。衛兵さんと一緒に写真を撮りたいが、残念ながら僕はチェコ語も英語もドイツ語もフランス語も話せません。
困ったなぁ。どうしても衛兵さんと一緒に写真が撮りたいのに…。誰にも頼めない…。
ちなみに、直立不動で身動き一つしない衛兵さんですが、鼻に手を突っ込んで怒られた人がいるとかいないとか。
ふむふむ。鼻に手を入れなければ怒られないと。
と、言うわけで。
衛兵さんと自分撮り!!!
Guardsman.jpg
本当は衛兵さんの目の前にカメラを差し出したかったのですが、チキンな僕は中途半端な角度でかつちょっとボケてしまいました…。
ちなみに衛兵さんはれっきとした軍人で、志願して衛兵になるのだとか。
隣のガイドさんを盗み聞きしましたが、僕の英語力なので真偽のほどは不明です。

◇Fussen, Schloss Neuschwanstein
SchlossNeuschwanstein.jpg
ドイツでも指折りに美しいお城だとのこと。

◇Heidelberg
Heidelberg.jpg
これは哲学者の道 (Philosophenweg) から旧市街を眺めた風景。
よい街でした。
Aix en Provence (France), Ulm (Germany)と並び、住みたい町の一つ。
ここで、ビアレストランでたまたま隣り合わせたおじいさんに「ドイツへようこそ」と、晩御飯をご馳走になってしまいました。
何でも日本に4ヶ月ほど滞在経験があり、日本人女性とも一時期結婚していたとのこと。

そしてここで年越し。
ドイツ人の友人パーティーに参加。
この日はビールを1.5Lは飲んだ気がする。
ヨーロッパでは、少なくともスペインとドイツでは、みな午前零時になると道に出て花火をします。
これがその様子。
NewYear.jpg

◇Frankfult
フランクフルトは、買い物をしないのであれば、何もない街です。
ただ、僕がここへ行ったのはこれ!
ECB.jpg
European Central Bankがあったからなんです。
僕にとってはキリスト様が祭られているどんな教会より価値ある建物。
まぁあとはりんご酒を飲んでみたかったというのもありますが。

◇Koblenz
Koblenz.jpg
父なるライン川に母なるモーゼル川が合流する地点。
実際に川の色が違うのが分かるでしょうか?
写真ではかなり右の方です。


今回の旅は、全体的に思うところのあった旅だった。
でもやはり、旅ってただ旅行をしてもつまらない。
何かテーマをもてたらいいのだけれど。
例えばコメディアン志望なら、大きな白い布を持参、行く先々で漫才を披露して、応援してくれるという人に一言ずつ書き込んでいってもらい、それが一杯になるまで旅を続けるとか。
人材系の会社もしくはHRなどの部署で働きたいなら、宿泊先で一緒になった人のキャリアコンサルティングをして回るとか。
僕が日本で旅をするなら、絶対「足代+宿泊費ゼロの旅」をすると思う。全都道府県を回り、各県で必ず一回誰かの家に泊めてもらわないといけないという縛りつきとか。でやっぱり何か寄せ書き見たいのを作りたいなあ。
と、考えてはみたのだけれど、自分のテーマをどこに設定したらいいのかよく分からない訳で。

最後に、旅で出会った名言。
"She loves me, but I don't love her. I like her. I mean, not so deep..."
漏れもこんなこと言ってみたかとですばい。