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共産国家日本

いくつかのきっかけから「日本は資本主義を標榜していながら、内実は理想的な共産主義国だ」というフレーズを思い出した。
そのフレーズは微妙に違う意味で使われていたのだが、平等・不平等に関連して、僕は日本が非常に格差が少ない国であると考えているので、それを数値で実証してみようと考えたわけである。
ちなみに表題を「共産主義」としなかったのは、「共産主義国家」と「共産主義が目指した格差の小さな国家」は必ずしも同義語ではないという僕の個人的な考えによる。

一般論について述べる。
よく経済的不平等を図る値として引き合いに出されるのが、ジニ係数である。
この世銀のデータで言えば、日本はデータが存在する124ヶ国中123番目に不平等な国と言うことになる。
(注:データを見に行けば分かるが、国によってデータの取得年度が異なる。しかしデータが全て世銀の調査チームによって処理されていると見られることから、定義の一貫性と言う意味において無理に同じ年度を違うソースから集めてきたよりは信頼性があると考える。この詳細は上記世銀のページのデータに関する説明欄を参照されたい。)
上記では日本のジニ係数は24.9 (1993年)。
こちらの総務省のデータでは27.3 (2002年)。
定義が違うはずなので何とも言えないが、日本のジニ係数は90年代後半を経て上昇傾向 (注1) だと言うことなので、両者の齟齬は小さいと思われる。
他に考え方としては、一人当たりGDPがある。
最も、この数値は経済学で使われているところを見たことがないし、しっかりしたデータも存在しないようである。
考えてみれば、人口には労働人口と非労働人口がいるし、さらに労働人口の中にも職についていない人や、一人暮らしから10人の大家族を養う人まで様々なので、指標としては非常に意味が少ないと言える。
また、実際には物価や為替の違いも存在するので個人の豊かさを国際比較する指標にはなりえず、購買力平価 (Purchasing power parity, PPP) などで調整した値を使わなければならない。
データ表を作成してみたが、結果としては…。いまいちである。
GDP_Person.jpg
ソースは世銀のデータクエリ
"Weighted"はこちらのデータにある"Ratio of PPP conversion factor to official exchange rate (2004)"で荷重。
2004年の値で加重してあるので2004と表記してあるが、一人当たりGDPは2005年の値。
国の掲載基準は、上位5ヶ国と最も低い国、その他は恣意的。

以上が一般論。
僕はここで平等や幸福の定義について議論する気はない。
ではどうやって社会の違いを明確に示すか。
数値モデルを考えた結果、3種類のモデルを思いついた。

①正規分布モデル
②ベータ分布モデル
Cobb-Douglasをぱくった理論経済モデル

全てのモデルで前提としているのは「子供の収入は両親の収入と関連する」と言うことである。


とまぁこれだけ書くと大そうなお話に見えますが、それを次回以降うpしていこうと言うお話でした。
でも実際、ちゃんとデータを集めて上記の3つをそれぞれ検証すれば、卒論程度には十分な話になるはず。
僕の場合はデータ集めはしないでモデル検証だけですが。
それでは次回以降にご期待ください。誰も期待していないと思いますが。

注:ソースと補足
上記の注1は「格差」を考える 第2回:日本の所得格差は国際的に見てどうなのかより。
ちなみに、ここで紹介されているOECDペーパー(PDF)にある"Actual and perceived inequalities in the distribution of income"という図 (11ページ) は相当いけてない。
"Actual"と"Perceived"の重ね方が恣意的で (恐らくは両者の差を最小化させるように重ねたのだろう)、どちらが上回っていると言う判断材料にはならない。

コメント

おひさしぶりです。
僕は数字を使った理論経済のことは一切わかりませんが、僕の日常生活や周りをみている限り、メディアが「日本は理想的な共産主義国」とか「日本は景気がいい」とかいくら数字を使って言われても実感としては納得できないものがあります。

ちょっと乱暴な言い方をすると日本は景気が良いんだと心から信じている人間がいればぶん殴りたくなる・・・とは思いませんが、「この人は何も知らないんだな」と心の中で思ったりします。

「浅はかなオプティミズム」に浸っている経済学者や経済界のトップの人を見ているとこんな人間に日本を動かされていると思うと腹が立ちます。

こんなことさわもちさんにいっても何にもならないのですが・・・

> スメルジャコフさん
お久しぶりです☆
コメントありがとうございます!
お言葉いちいちもっともです。正にその通りです。
見方としては、情報源が「数字」なのか「実感」なのか、また「一人ひとりにスポットを当てている」のか「全体として見ている」のかによって、大きく異なりますね。
私もその一人ですが、政治家や経済学者は「数字」で「全体」を扱っているので、現場を知らないと言われてしまえば返す言葉がありません。
例えばアメリカ大統領は軍隊の指揮権を持ち社会を動かしますが、実際に戦争に出て、自らが相手の顔を見て殺し殺されかけた経験のある人はほとんどいません。また経験があっても、立場が変わってしまえば見方も変わってしまうのでしょう。間違いなく数字で戦争を動かし、数字で戦争を判断します。
また全体を見てしまうと、一方で全く改善がなくとも、他の部分で大規模な改善があれば、全体では「よくなっている」とされてしまいます。ある一人の給料が101万円上昇して、一方で100人の給与が1万円ずつ下がっても全体としては「上昇」。

いんちきだらけだと言えばそこまでですが、僕個人としては、スメルジャコフさんのような「実感」で「一人ひとり」を見ている人の方が本質的でより人間らしく、また大多数ではないかと思っています。
今は勉強をしている身である学生として、また何の力も持たない一人の人間として「数値」で「全体」を見るべく心がけていますが、将来はスメルジャコフさんのように説得力を持って語れる一人の人間でありたいと思っています。

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